ALARMSの日々

福岡のバンド「ALARMS」のVo:Takuyaが綴る。トライアンドエラーの日々、歩いた軌跡

「十二国記」の最新刊に取り憑かれた話

最近読んだ本について

 

 

このブログをご覧になっているみなさんは

十二国記」シリーズをご存知でしょうか?

 

12の国が存在する古代中国風の異世界を舞台にした

ファンタジー小説です。

かれこれ30年近く続いているシリーズで

2002年にはNHKでアニメ化もなされました。

 

原作小説は2001年以降続編が止まっていたのですが・・・

ついに今年続編が発売された訳です。

しかも1巻〜4巻の4冊分

 

他の話が1巻のみもしくは上下2巻分であることを考えれば

とてつもない大長編

 

読了するのに1週間くらいかかりました。

 

さてこの「十二国記」シリーズがどういうお話かというと

全編を通しての主人公がいる訳でなく

12の国の王様とそれを選ぶ麒麟という存在

そしてそのまわりの人たちの群像劇となっており

 

現代日本に生まれた女子高生が実は異世界の王様となるべき人物で

なんやかんや奮闘して即位するまでの話(月の影 影の海)

 

即位したはいいけれど国の内情が分からず、古参の家臣の抵抗に遭い

腐敗した国家の改革をする話(風の万里 黎明の空)

 

現代日本に飛ばされ行方不明になったある国の麒麟

他の国々が協力して探し出し、連れ戻そうとする話(黄昏の岸 暁の天)

 

お金持ちの家の娘が出奔し

王様になるための冒険をしながら成長していく話など(図南の翼)

 

冒険、人間ドラマ、政治にスポットをあてたファンタジーなのにどこかリアリティを感じる作品になっております。

 

最近のなろう系文学や異世界転生モノとは全く方向性が違います。

 

とにかく世界観や人物描写が詳細で、「歩いている土の匂いがする」というファンもおられるみたいです。

 

そして今回の新作(白銀の墟 玄の月)は十二国の中の「戴」(たい)という国のお話

この国は作中においてとても重要な国で

他の話にも伏線が多数出てくるので、全て回収した上で読んでみると

まるで全てがここにつながっていたかのような、絡まっていた紐が解けたような感覚に包まれる。

 

なのでいきなり最新作を読むのではなく

初めての方には(月の影 影の海)→(風の海 迷宮の岸)→(風の万里 黎明の空)→(黄昏の岸 暁の天)→今作(白銀の墟 玄の月)

 

の順番で読み進めて欲しい。

とても長い道のりに見えるが最低でもここまでは読んでおかないと

何がなんだがさっぱりわからないと思う

(風の万里 黎明の空)まではアニメ化されているのでハードルは少し下がるかと思う。

 

強いていうなら、上記に加え第1作「魔性の子」と「図南の翼」を読んでおくとより理解が深まると思う。

 

特に第1作「魔性の子」を読んだ時の衝撃は計り知れないだろう。なにせこれがシリーズの第1作なのだから、

例えるならば「ウルトラマン」が第1作ではなく「ウルトラQ」が第1作だと知ったような感覚。よくこれをプロローグにできたと感心せざるおえない。

 

難読漢字も多く、地理的な要素もあり

読みながら頭を使う作品ではあるが

ハマった時の感触からは抜け出せなくなってしまうと思う

 

緻密に計算されたストーリー

読めない展開、期待を裏切りどん底に落とした後、明後日の方向から救いがやってくる。

 

《それぞれの国を舞台に繰り広げられる深遠な人間ドラマは、私たちに「生きる意味」と「信じる強さ」を問いかける大河小説といえる。》←公式より

 

敷居は高いですがとてもおすすめ

人生観が豊かになること間違いなし

 

是非ご一読あれ